当神社における大祓の目玉(?)神事の一つは「茅の輪くぐり」ではないでしょうか?なぜならその由来が先ほどご説明した様に、大祓の大きな意味である「無病息災」を祈る神事そのものだからです。
しかしながら、なに分当神社初めての試みなので、ここで少し氏子の皆様とともに私達も作法を予習をしておきたいと存じます。
当日用意させていただいている茅の輪は直径二メートル強の大きな円形をしています。当日は境内に設置しています。孟宗竹の支えで左右と上を固定してあります。
茅の輪は単純にくぐれば良い訳でなく、きちんと作法があります。
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まず輪の正面から入って頂いて、そのまま通り過ぎずに輪の左側へ竹の柱に沿って巡り、もう一度輪に入ります。
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そして左側と同じように右側も竹の柱に沿ってグルッと巡り、また輪に入ります。
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そのまま本殿の方向へ抜けます。
というものです。
当日は宮司以下神職が先導致しますので問題はないと思いますが、この様に「左、右、左」という風にくぐるのは大麻や御塩で祓う作法と同じで、丁度「8の字」を少し余分に茅の輪を巡る訳ですから、ちょっと複雑ですね。
それから重要なことをもう一つ。「水無月の夏越(なごし)の祓する人は千歳のいのち延ぶ(のぶ)というなり」という和歌があります。この和歌は今から千年余り前に成立した『拾遺和歌集』に収められているもので、この歌を唱えながら茅の輪をくぐる作法が古来から為されていたようです。和歌の意はこの行事そのものを表していますから、言霊を自ら発することで、現実に一年の上半期に積もった悪いものを取り除き、残り半年を元気に過ごせるようにするためのものといえます。今回もこの和歌を唱えながら執り行いたいと存じます。
御祭神の素盞鳴尊様以下、宮司一同、皆様の御参加をお待ち申し上げております。(細) |